カメラ片手に・・・写真などいろいろなこと

趣味で撮った写真や、読んだ本の要約などをご紹介します

ラブホテル裏物語 7

「ラブホテル裏物語」大月京子著 バジリコ 2008年より

<女王様の忘れ物>

あれはいまのラブホテルに勤めて間もない頃。時間は深夜1時頃だったと思います。
フロントから届け物を頼まれた帰り、何気なくお客さん用のエレベーターのほうを振り返ると、ホールに何か動く気配がしたんです。人一倍恐がりな私ですが、好奇心も手伝って様子を見にいってみました。

するとそこにいたのは、裸のおじさん。私の足音には気づいていたようで、私の視線を避けるように身をよじらせながら、
「すみません、すみません」
と、か細い声で言っていました。
私は意味が分からないのでとりあえず部屋に戻るよう声をかけると、また
「すみません、すみません」
と言って廊下へ走り出し、ある一室のドアをノックしてなかに消えてしまいました。

「ああ、それはSMのお仕置きじゃないですか」
フロントで事情を話したら、おじさんの先輩にこんなことを言われました。控え室のモニターでも気づいていた人がいて、どうしようかなんて言ってたそうです。
「ここなぜか多いんですよ、SMクラブ。女王様が客の男連れてきて、何か色々やるっていうヤツ。そのプレイのひとつで、裸でウロウロさせてるわけ」

話には聞いていましたが、そういうプレイを目のあたりにしたのは初めて。色んな世界があるもんだと感心していたら、半年近く経ってもっと妙な状況に出食わしました。

清掃する部屋へ向かおうと廊下を歩いていたら、向こうから女王様とお客さんのコンビが歩いてくるんです。
女王様のほうは恐らく下着姿に上着をはおった格好。そしてお客さんの男性はバンツー枚のまま首輪で鎖に繋がれ、モジモジしながら女王様に引っ張られて歩いていました。
「これは何かひと言注意したほうがいいものやら悪いものやら」と思いながらも視線を落として通り過ぎようとすると、女王様が鎖をジャラッと引っ張って何か合図するんです。すると
「こ、こんばんは・・・」
と男性が私にあいさつしてきました。それで私も
「こんばんは・・・」
そんなあいさつだけして何ごともなく通り過ぎると、廊下の端の部屋に戻っていきました。
どうでもいい遊びにつき合わされたようでバカバカしい気もしましたが、それでも珍しいものが見られて面白かったと思ってます。

あとほかの同僚に聞いた話ですが、別のホテルではこんなこともあったそうです、
「精算してチェックアウトしたから清掃に行ったわけよ。そのまま部屋入ったら、ベッドの脇にいるわけ。裸のおっさんが、首に首輪なんかつけて」

何かのプレイなんでしようが、チェックアウト後も部屋に残られたら、延長扱いをどうするかとか私たちにとっても面倒なことになってしまいます。
「『何してんですか!困ります!』」って大声出したら、『すみません、すみません』って、すごい勢いで服着始めてさ。あっという間に飛び出してっちゃった(笑)。ちょっと後を追ってみたらエレベーター待つ間に携帯取り出して、『い、いま出ました』なんて言ってるの。あれはもしかして、女王様に報告してたんじゃないかしら(笑)」

こういうのは、「羞恥プレイ」とか「放置プレイ」とかいうらしいです。要するに恥ずかしいことを強要して、いじめるという遊び。いじめられるおじさんたちは、女王様に征服されてる、恥ずかしいことをさせられてると感じることで、いっそう喜んでしまうんだとか。でも他人を勝手に巻き込むのは、やっぱりほどほどにしてもらいたいですね。

といっても私たちにとって裸でウロウロされるくらいは、まだ全然かわいいもの。SMの人たちはもっと困った置き土産をよく残していくんです。
後でちょっとお話しするビニールシートの汚物もそうですが、ほかにもうひとつ厄介だったのがロウソクのロウ。これがフローリングの床にポタポタ垂れて固まってるわけです。

いまのホテルに入った頃、しょっちゅうこのロウの後片づけをやらされました。かがんで1滴ずつゴシゴシはぎ取っていくので、けっこう面倒な作業なんです。まあしばらくやるうちに慣れて、だいぶ始末も手早くできるようになりましたけどね。

そういえばある時、このロウソクを忘れて帰った女王様もいました。私たちもよせばいいのについふざけて、互いの手にロウの垂らしっこしてみたんです(笑)。
そうしたら全然熱くないんですよね。後で聞いたら、SM専用の熱くないロウソクがちゃんと売られてるっていうんです。色んなものがあるんだなあって感心しましたけど、同時に「熱くないSMなんてインチキじゃん」なんて同僚だちと笑ってしまいました。

同僚から聞いた昔の噂話ですが、SMのロウソクでボヤが出たか火災報知器が鳴ったかで、ラブホテルの前に消防車がやってくる大騒ぎになったこともあったらしいです。ただ幸いなことに、ロウが垂れた跡を見ることは最近めっきり少なくなりました。SMの世界でも、時期ごとに流行り廃りがあるんでしょうか。

ロウソクはあまり見かけなくなったものの、女王様たちはいまもよくやってきます。彼女たちの外見はやはり特徴があるので、見るとたいてい分かるんですよ。
まず女王様自身は、きれいめで大人の女性らしい人が大半。私の印象ですが、足がきれいな人が多いような気がします。
そして連れてくるお客さんは、ざっくり言って地味で大人しそうなタイプ。相手が女王様だからというのもあるでしょうが、見た目はかなり対照的です。

でも女王様を見てそれと分かる一番のポイントは、ほかでもない商売道具。恐らくお客さんのリクエストに応えて大量の商売道具を用意するらしく、いつも大きな旅行バッグ、キャリーカート、あるいはスーツケースなんかを運び込むんです。なかには車で乗りつけて、人間が入りそうなスーツケースを運び出していた女王様もいました。

いったいどんな荷物が入っているのか・・・と気になるところですが、実は一度、部分的に中身を拝見したことがあります。というのは、女王様がバッグを忘れていったことがあったから。
持ち主をちゃんと見たわけじゃないですが、小分けにしたバッグをいくつか担いでチェックインしていたようですね。忘れていったのも、みんながいつも持ち運びしてるのよりは少し小ぶりなボストンバッグでした。

興味津々というより恐いもの見たさでドキドキしながら開けてみると、初めて見る色んな道具が次々に出てきました。首輪、目隠しのアイマスク、男性のあそこの形をしたオモチャ、赤いロープ、それにポンプがついたチューブ状の道具、鎖に靴べらのような革がついた道具など、何に使うのか見当がつかないものまで・・・。
「何かよく分からないけど、この人たちもプロなんだなあ」
道具類が放つ妙な迫力に圧倒されて、こんな風に感心してしまいました。



つづく・・・予定です。

  1. 2016/09/06(火) 00:03:00|
  2. ブログ
  3. | コメント:0
<<案山子 | ホーム | 「100%幸せな1%の人々」 小林正観 著 その10>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

phm202

Author:phm202
ブログをご覧いただきありがとうございます。

40代半ば 男性 神奈川県在住 プロラボ勤務経験あり 主にデュープと複写作業をしていました フォトマスター検定1級 写真専門士

好きなこと・・・写真撮影(鉄道写真など) 読書(自己啓発、成功法則、ビジネス系など)

累計納税額日本一の事業家 斎藤一人さんの考え方、生き方に影響を受けています。

使用機材
PENTAX K-m
DA L 18-55mmF3.5-5.6AL
DA L 50-200mmF4-5.6ED
Nikon COOLPIX P330     

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (1)
ブログ (242)
吉本新喜劇 (6)
自己啓発・成功法則 (441)
日常 (42)
写真 (624)
散歩 旅行 (19)
ついてるカード (78)
お酒 (7)
仕事 (2)
スピリチュアル (16)
今日のひとりさんの言葉 (23)
斎藤一人さん (184)
谷山浩子 (84)
鉄道写真 (66)
落語 演芸 映画 (7)
音楽 (91)
小林正観さん (59)
プラモデル・模型など (23)

FC2カウンター

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

PR

↓夢をかなえるカードです。プレゼントにもぜひ!

↓「ユダヤ人大富豪の教え」で有名な本田健さん

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR