カメラ片手に・・・写真などいろいろなこと

趣味で撮った写真や、読んだ本の要約などをご紹介します

ラブホテル裏物語 2

「ラブホテル裏物語」大月京子著 バジリコ 2008年より

「駐車場で、エレベーターで」

 ルームメイク、清掃の仕事は、ラブホテルの裏方。だからできる限り、お客さんと顔を合わさないようにするのが鉄則です。
 「○号室、チェックアウトしました」
 フロントの控え室からこんな連絡を受け取ると、すぐその部屋に駆けつけて清掃を始めなくてはいけません。ところが慌てて飛び出すと、チェックアウトしたお客にさん、あるいは新しく入ってきたほかのお客さんと鉢合わせしかねない。そこであれこれ知恵を使って、お客さんの目に触れない工夫をするわけです。

 分かりやすい例が、エレベーターの使い分け。いま勤めているラブホテルは廊下の隅に従業員用のエレベーターが設置されています。昔は「従業員はエレベーター使用禁止」、つまり非常階段で行き来しないといけないなんていうホテルもありましたから、それに比べたらずいぶんましになったといえるでしょう。

 でも実際は1台だけだと作業が追いつかないので、3台あるお客さん用エレベーターも使います。階数表示を見ながらチェックアウトしたお客さんの動きをチェックして、エレベーターホールで鉢合わせしそうなら非常階段のほうへいったん避難。物音でお客さんが出ていったのを確認してから、再びエレベーターホールに戻るわけです。こういうノウハウは、別に研修やマニュアルがあるわけじゃありません。たいていそのホテルの古参や業界のベテランが新人に教える形で、もう何十年も受け継がれてるようです。

 エレベーターホールもエレベーターのなかもカメラがあって、フロントの控え室のモニターでチェックしています。だからそっちとうまく連携すればもっと上手に鉢合わせを避けられるんでしょうけど、そこまで面倒なことはやってられません。
 ある時なんて、ルームメイクを済ませて下から昇ってきたエレベーターに乗ろうとしたら、そのなかでもうやり始めちゃってた若いカップルがいました。イチャイチヤなんてもんじゃなくて、本当にもう服まで脱いで・・・。で、こっちはしょうがないから「失礼いたしました」と謝って、別のエレベーターを待つしかありませんでした。

 密室だから見られないと思うんでしょうけど、気の毒なことにフロントの控え室からはモニターで一部始終丸見え。どうせ1分かそこらで部屋に入れるんだから待てばいいのにと思うんですが、ラブホテルに入ると同時にそういうスイッチも入っちゃうんでしょうか。さすがにエレベーターでやり始めるのは珍しいですが、若いカップルが濃厚にイチャイチャする様子は年中無休で普通に見られます。

 待ちきれない人たちが始めてしまうのは、エレベーターだけじゃありません。駐車場に車を停めて、そのままホテルに入らず車内で始める人たちもいます。
 駐車場はのれんで外から目隠ししてあるから安心するのかも知れませんが、これも気の毒なことにモニターから丸見え。しかもホテル側にとってはお金を払わずに駐車スペースを占領する不届き者ですから、扱いも当然手荒くなります。

 「まただよ、車が入って出てこないと思ったら、やってるよ車んなかで」
 「もう5~6分放置したら一緒に文句言いに行こうぜ」
と相談し合って、わざと時間を置いてから注意しにいくフロントと駐車場係。というのもことが進んでまさに真っ最中、というタイミングで脅かしたほうが、彼らにとっては面白いからです。なかには、2人とも下半身はだかのまま飛び出していくカップルもいるとか。下半身のほうは暴走させても、車だけは安全運転でお願いしたいものです。

 ほかにもエントランス、フロント、廊下、エレベーターホールなど、気の早いお客さんはどこででも濃厚なラブシーンを繰り広げます。お客さんと鉢合わせしないようにと注意していても、色々大変な場面に出くわすことは避けられません。こっちは階段の陰に隠れてお客さんが降りていくのを待ってるのに、廊下で延々とあれしたりこれしたり・・・。そんな時は視線を落としたまま軽く会釈して、スタスタと通り過ぎるのが普通です。
 ただ正直に言うと、好奇心で「どんな顔してんのか見ちゃえ」っていう気持ちかあるのも事実。「もうちょっと待てばいなくなるかな」と思っても、わざと待たずにすっとぼけた顔で出ていったりとか(笑)。

 もともと他人に対して人一倍興味があるほうだし、どうせ仕事するなら楽しみながらというのが自分の信条。そういう意味ではラブホテルでの人間観察って、実はものすごく面白い。だからついつい、用がないところまで首を突っ込んで覗いちゃったりするんです。まるで「仕事だから仕方なくイヤイヤやってるんだ」みたいな顔をして(笑)。むしろそんな楽しみかあるから、いままでこの什事を続けてこられたのかも知れないですね。


つづく・・・予定です。

  1. 2016/08/29(月) 00:03:00|
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phm202

Author:phm202
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40代半ば 男性 神奈川県在住 プロラボ勤務経験あり 主にデュープと複写作業をしていました フォトマスター検定1級 写真専門士

好きなこと・・・写真撮影(鉄道写真など) 読書(自己啓発、成功法則、ビジネス系など)

累計納税額日本一の事業家 斎藤一人さんの考え方、生き方に影響を受けています。

使用機材
PENTAX K-m
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